| 韓国クラブミュージック界の新鋭 ソン・ダムビ | |
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熱気が肌にはりつくような季節には、すかっと清涼感のある音楽が求められるものだ。夏の到来が早かった今年の韓国では、ダンスミュージックがすでに大きく売上を伸ばしている。新人女性歌手が大挙して登場し、アルバム市場に活気を吹き込む中で、とりわけ注目されるのが「Bad boy」のソン・ダムビだ。
1983年生まれ 169cm 48kg 2007年 シングル「cry eye」でデビュー 2008年 ミニアルバム「Bad boy」発売
――パドックスの読者にごあいさつをお願いできますか。 こんにちは。昨年夏に「cry eye」でデビューしましたソン・ダムビです。今は、4月に発売になったミニアルバム「Bad boy」をもって活動しているところです。
負けず嫌いでダンスをマスター
――デビューまで割合と長い時間がかかったと聞きました。 高校を卒業したあと、歌手になるための準備を始めました。最近、若いうちから練習を始める人が多いので、それだけでも出遅れた気がしていたのですが、練習生になってから初シングルが出るまでにさらに4年ですから、長くかかった方ですね。 高校までは芸能界に入りたいという気持ちがあまりなくて、学校に行くのが楽しかったし、その時にしかできない経験をしたいと思っていました。人に薦められてこっそりオーディションを受けたりもしましたが、デザインの仕事をしている母が芸能界にくわしいこともあって、両親にとても反対されました。説得するのに随分時間がかかりました。
――歌手になりたいと思ったのはいつですか。 最初は女優になりたかったんです。練習生の時にたまたまダンスの練習も始めたのですが、始めは周りの人があきれるほど踊りが下手だったんです。でも、私、負けず嫌いなんですよ。その時練習曲だったのがBoAさんの「スパーク」で、それが踊れるようになるまで2ヶ月間必死で練習しました。最初はできなかったのが段々踊れるようになって自信が芽生えてきて、もっとちゃんとやってみたいと本格的に歌と踊りのレッスンを受け始めたんです。
マルチなビヨンセがロールモデル
――第2のイ・ヒョリとか、女性版ピ(Rain)と呼ばれていますが、特に影響を受けた人はいますか。 ピ先輩は本当に努力家で見習いたいと思っていますし、イ・ヒョリ先輩はスターであり続ける姿や経験からくる年輪のようなものが本当にすばらしいと思います。その他にロールモデルといえば、ビヨンセさんのようになりたいと思っています。私は欲張りなので、いろんなことに挑戦して、さらにそこで認められたくて、歌もパフォーマンスも演技もできるようになりたいんです。ビヨンセさんはまさにそういう人で、映画「ドリームガールズ」を見て、とても感動しました。
――女優としての準備も始めているのですか。以前、ミュージックビデオに出演されていましたが。 いくつかお話をいただいていますが、慎重に検討している最中です。いつかは女優としても活動したい気持ちがありますが、今は歌手としてしっかりと基礎を固める時期だと思っています。まだ自分だけの色が定まっていないし、それを模索しながら、みなさんにもっと愛されるようになりたいと思っています。 そのうち演技をすることがあれば、歌手としてお見せしている派手な姿とは違う、平凡で日常的なキャラクターを演じてみたいですね。
――どんな色を持った歌手になりたいのですか。 初シングルの時にはイメージを極大化するためにパワフルで中性的な感じを強く出しましたが、今回のアルバムでは、女性らしい面をたくさん盛り込みました。女性らしいとはセクシーさを強調するだけでなくて親しみやすい可愛らしさもあると思うんです。次にどんな姿をお見せできるかわかりませんが、どれが本当の私の姿だと判断するにはまだ早いと思っています。何か一つにしぼって満足してしまったら、それ以上成長することはないでしょうから。カメレオンみたいに色を変えられるようになりたいですね。そのためにはもっと努力しなくてはと思っています。
ダンスは封印し、新ジャンルに挑戦
――今回のアルバムには有名な作詞作曲家の方々が多く参加していますね。 そうなんです。元々ヒップホップとR&Bが好きなので、そういうテイストを多く取り入れています。タイトル曲の「Bad boy」はエレクトロニクスで、アルバムの製作前に参加したオンラインゲーム「プリストンテール2」の製作でエレクトロニクスの音楽に触れて魅力を感じたことから、ぜひアルバムに入れたいと思ったんです。 ビッグバンの「嘘」「最後の挨拶」をプロデュースしたヨン・ガマンさんが「Bad boy」を、ブラウンアイドガールズの「l.o.v.e」を書いたイ・ミンスさんが「止めよう」を下さいました。エレクトロ以外にも、ビッグママの皆さんの曲を書いているソ・ジェハさんが「反対語」という正統派バラードを書いて下さって、フィソン先輩が作詞とボーカルディレクターをしてくださった「着飽きた服」もとても良い曲です。 前回はビートの強いヒップホップで、それに乗せてクラブダンスをするというものだったので、怖そうな人というイメージがあったようで話しかけにくいといわれたりしました(笑)。今回はもっと柔らかい音楽でボーカルもあまり強くないので、幅広い層の方に聞いていただけると思います。
――コンセプトを変えることにとまどいはありませんでしたか。 確かにクラブダンスをするのはアジア女性として初めての試みで、習得するのは本当に大変でした。全身の筋肉を使うため、ダンサーの方でも30秒で息切れするくらいです。けれど、その踊りをしばらく封印するからといって惜しい気持ちはありません。いろんな姿をお見せしたいと思っていますし、踊る機会はまたいくらでもありますから。
――周囲の反応はいかがですか。 以前は強いイメージからか女性ファンが多かったんです。クラブミュージックを知らない人もたくさんいました。今回、もっと皆さんとの距離を縮めようと努力していることが伝わったようで、踊りも歌も受け入れていただいているようです。男性ファンも増えましたよ(笑)。発売以降に外へ出てインタビューを受けたのは初めてなのですが、ホームページへのアクセスはかなり増えていて、うれしく思っています。
――もっとどんどん外へ出て行っているのかと思いました。 元々家にいるのが好きなんです。運動するのは好きで、やる時は一生懸命するんですけれど。
――アルバムを作っている時に体重も減ったそうですね。 やせようと思ってやせたのではなく、神経がとぎすまされて練習量も増えるので自然にやせてしまうんです。練習生時代にはダイエットのために特別メニューも組んで、運動もトレーナーについてやったりしましたけれど。
日本文化の繊細さに惹かれる
――話は変わりますが、去年、日本のテレビ番組に出演したことがありましたね。 TBSの「ピッタンコカンカン」の韓流特集に出演しました。リュ・シウォンさんをはじめ、何人かの方々とご一緒したのですが、韓国とは番組の作り方が違って不思議な感じがしました。撮影は新鮮で楽しくて、笑いっぱなしでした。
――日本の文化にはくわしいのですか。 日本の音楽は好きでよく聞きます。宇多田ヒカルさんがとくに好きです。ドラマはあまり見ない方なのですが、この間友人が薦めてくれて「のだめカンタービレ」を見たんです。そうしたらすごくおもしろくて、結局一晩でシーズン全話見てしまいました。日本のドラマには中毒性がありますよね。残念ながらまだ日本には一度も行ったことがありません。ファッションにも興味があるし、日本のクラブの音楽はとても良いと聞いているので、ぜひ近いうちに行ってみたいです。
――歌手として日本に来る計画はありますか。 先日、北京オリンピックを記念して開かれたナイキのファンションショーに招待されて中国へ行きました。韓国とは違っていて、規模は大きいけれど人はとても情が厚いと感じました。日本はどんな所なのか、とても興味があります。いまは韓国国内で一生懸命に活動を始めたばかりですが、日本の皆さんが呼んでくださったら、いつでも歌手ソン・ダムビとして日本の舞台に立ちたいと思っています。
――最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。 日本には、繊細で端正な美しさがあると感じます。そういう所を日本に行ってぜひ学びたいと思っています。今後もぜひ、応援よろしくお願いします。
自らに厳しいソン・ダムビ。これまで誰も挑戦しなかったクラブダンスを選んだことも、次々に新しいジャンルに挑戦することも、自分に満足したり、自分を甘やかしたりしていては達成できないことだろう。他人よりも大変な道を選んだだけに、やめてしまいたいことも多かっただろうが、自らに鞭打ってここまで駆け上がってきた彼女の5年間が見えるようだった。その努力が、観衆の大きな愛で彼女に戻ってくることを願っている。
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